グランクレスト・バルレアの瞳・キャンペーン 第四話「Still Alive」
夏瀬さんGMのグランクレスト・バルレアの瞳・キャンペーン第四話です。
ウィステリア騎士団領周辺の混沌核を打ち払い、地域に安寧をもたらす話。キャンペーンを一段落させる話になりました。収まるところは収まる良いまとまり方でした。
第四話「Still Alive」
前回に続き、アザスカ(メイジ(エレメンタラー)/黒野さん)、タリア(アーティスト(ライカンスロープ)/粥さん)、バルカ(アーティスト(レイヤー)/緋)の3人構成でした。
今回予告
ウィステリア地方は以前と比べ物にならないほど安定した地となった。
混沌濃度はそれほど変わらないが、混沌災害に怯える夜は確実に減りつつある。
アッサモールは言う。“門番”さえ排除できれば、次はいよいよバルレアの瞳だと。
バルレアの瞳攻略に向けて準備を進めるウィステリア騎士団領の住民達。
しかし、サンドルミア国内の状況が一変し、ベリナスはサンドルミアへ戻る決意をする。
その前に“門番”が存在する魔境を必ず攻略すると誓いを立てて……。
主要人物がこの地を去ることで、このバルレアの物語はいったん幕を下ろす。
だが、それぞれの道は続く。
グランクレスト戦記、バルレアの瞳キャンペーン第一部最終話
「Still Alive」
そして、新しい物語が始まる…。
OP/バルカ:門番
今回の魔境攻略では、“バルレアの瞳”の混沌核へと迫る門を護る門番、巨大レイドの討伐を行う。かつてバルレア半島の全軍を率いてもなお苦戦した魔物であり、勢力を増したとはいえ、現在のウィステリア騎士団領にとっては太刀打ちできない相手かもしれない。
だが、バルレアの瞳の勢力拡大に伴い、混沌濃度がなおも上昇し続けるこの地域においては、門番の討伐は喫緊の課題である。門番は周囲に混沌を拡大する。逆に言えば、門番を討伐すれば混沌の侵蝕を年単位で止めることができる。
バルレア半島を混沌から開放するという、バルカの夢は次の世代の夢になりつつある。かつてバルカと君主論を語らった騎士ヘクセンは、まるで己の夢のように混沌の脅威から解放されたバルレア半島の未来を語るようになった。ウィステリア騎士団の騎士は皆、まぶしい光を放つ英雄なのだ。
門番との戦闘で帰らぬ者も出るだろう。しかし、語った夢を現実にするために、今は剣を取るべきときだ。
OP/アザスカ:ベリナスの決断
アトラタン大陸でも異例の成長を遂げた街、ウィステリア。 功労者としてアザスカの名を挙げるものは多い。当然だ。 5年先を見据えて街を発展させ、後進を育てた。ウィステリアの事務方を担う、青年レスカールの成長は目を見張るものがある。
この街はこれからもっともっと大きくなる。
しかし、サンドルミアの密偵から驚くべき情報がもたらされた。サンドルミアの国王、ベリナスの父ノートン・ヴェルダディエが危篤状態だという。ベリナスがサンドルミアの王となるまたとない好機。サンドルミアに戻ることはウィステリアで築き上げた地盤を手放すことを意味する。
「すぐに殿下に伝えろ。本国で政変が起きた」
アザスカの主、ベリナス・ベルダディエは一晩で決断を下した。
「国へ戻り、サンドルミアの王になる。ウィステリアへの義理は門番の討伐を以って果たすことにする」
「アザスカ、お前は付いてくるか?ウィステリアにはお前の仕事がある。何より、ここはいい場所だ」
宮廷で他人を蹴落とす道。この地に住む人々を幸せにする道。二つの道の分岐点を前にアザスカは答えた。
「殿下は俺を使ってくれる。そういう契約だったはずですよ」
OP/タリア:生命
交易路の整備。それは道ではないところに、道を作る作業だ。 その道に物が流れるだけで、ウィステリアは豊かになった。ウィステリアの領主、ジェイスはとても大事な仕事だと言った。それは正しかったのだろう。
エーラムまで商売の道をつなぐという大仕事を終わらせたタリアを待っていたのは、 タリアの絵日記をみて、慎重に言葉を選ぼうと難しい表情をするジェイスと、自分たちの方が上手く書けると得意げな子供たちだった。久々のウィステリアで羽を伸ばす日々である。
そのとき、タリアはいつも子供たちの中で一、二位を争うほど元気な、ウィルという子の元気がないことに気が付いた。ウィルの妹を身ごもった母の状態があまり良くないのだ。上昇した混沌濃度による体調不良。この地ではよくある話だ。カイやウィスラーの医療でも、痛みを和らげることしかできない。
混沌濃度を下げるには、魔境の拡大を止めるしかない。それには強大な門番と呼ばれる魔物を討伐する必要がある。魔物の討伐を相談するためにジェイスの館には、難しい顔をしたジェイス、ベリナス、アザスカ、バルカの姿があった。
ミドル1:別離
彼らが相談していたのは、ベリナス、アザスカのサンドルミアへの帰還であった。サンドルミアの政変は、王族であるベリナスの帰還を必要とする。ベリナスのお抱えメイジであるアザスカの同行も必要なことだ。それでも。タリアは言った。
「ベリナスとアザスカは約束したじゃないか。バルレアの瞳を攻略すると!いつか戻ってくるんだろ?」
ベリナスが答えた。
「俺がサンドルミアの王となることには、サンドルミアの飛び地であるウィステリアに利益がある。それは、バルレアの瞳を攻略するためにも必要なことだ。何より、俺は王にならなければならない。」
「バルレアの瞳の攻略って、いつ戻って来るんだよ!」
「必ず約束を守ると言うことはできない。ただ、善処しよう」
ベリナスも、アザスカも。約束こそできないが、この地も戻ると決めていた。
結束は変わらないが、状況は変わる。タリアはバルカに聞いた。
「バルカはどこにも行かないよね?」
「ああ、バルレアの瞳を攻略するまではな」
バルレアの瞳を攻略すれば、バルレアの瞳に由来する投影体であるバルカは消える。だが、それを告げるのはもっと先の話だ。
クライマックス1:バルレアの瞳外周部1
大きな混沌核を有する門番の居場所は、タリアの中の混沌核が教えてくれる。しかし、門番の周辺は混沌濃度が特に高く(10レベル)、強大な魔物が多数いる。前回のボスであるドラゴンすら、ここでは下級の魔物にすぎない。強化されたドラゴンを退け、彼らは門番の元へと進む。
クライマックス2:門番
キュマイラ、ハルピュイアと戦う彼らの元に門番が襲撃を仕掛けた。4パーツを持つ巨大モンスターだ。同時に7体もの雷球を召喚し、移動を阻害し、自身をさらに強化する強敵との戦いにウィステリア騎士団は立ち向かい、攻城兵器を使い果たしながら打ち倒した。
しかし、周囲の混沌は消えない。本当の門番は別にいた。5ヘッドドラゴンの姿をした門番は、疲弊したウィステリア騎士団に襲い掛かる。それでも、ウィステリア騎士団は勝利した。ベリナスの聖印が、門番の持つ強大な混沌核を吸収し、この地に一時の安然がもたらされた。
エンディング1:旅の道
ウィルの妹は無事に生まれた。混沌濃度が下がり、ウィスラーとカイの医療が効果を発揮するようになったのだ。混沌の脅威を打ち払ったウィステリア騎士団領には、さらに多くの人が集まり、発展を続けている。ジェイスの元にはさらに多くの絵日記が集まることになった。だからタリアは笑顔だ。
ジェイスが言う。
「人が増え、この街は安定しつつある。絵日記を見ているだけでいいと思っていたけれど、少し贅沢をしたい。タリア、君が開いた旅の道をこの目で見たいんだ」
タリアはもっと笑顔になった。
エンディング2.ひとたびの別離
バルカは門番のいなくなったバルレアの瞳の空白地に暫く留まり、それからウィステリアに帰還した。門番の守っていた見えないゲートの向こうに積層型魔境“バルレアの瞳”の中心核がある。かつての仲間たち、バルレア辺境領の騎士達が終焉を迎えたその地にいま少し足を伸ばせば踏み入ることができる。しかし、それはもう少し先でいい。現在の仲間、ベリナスとアザスカが本国の政争に勝利し、体制を整えてから踏み入ればいい。
帰還したバルカを迎えたのは旅支度を終えたベリナスとアザスカであった。
バルカは聞いた。
「行くのか。いつまでかかる?」
ベリナスが答えた。
「二年だ。二年でサンドルミアを掌握し、ここに帰る。ここには家があるからな」
アザスカがこの街で初めて笑顔を見せた。
「待ってくれる人がいるってのは、嬉しいもんだ」
ジェイスが言う。
「エーラムとの交易路の途中にサンドルミアがある。君達と共に行けば、旅も楽しいと思うのだが」
タリアが頷いた。
「それはいいね。きっと楽しいよ!」
アザスカがバルカに言う。
「アンタは何百年も待ったんだ。いまさら二年くらいは問題ないだろう?」
バルカは答える。
「さんざん待たせてくれたんだ。これ以上待たせるなよ」
エンディング3.新たな戦い
サンドルミア王都の尖塔が見える丘の上。バルレア半島を振り返るアザスカにベリナスは聞いた。
「名残惜しいのか?」
「田舎から帰れてせいせいしましたよ」
「また帰れるさ。ウィステリアは俺の故郷だ」
アフタープレイ
成長:なし
カウント:22500→50000
爵位:子爵→辺境伯
これにて、バルレア半島を巡る冒険は一旦中断です。諸事情で一旦キャンペーンを畳むことにしましたが、よい形に綺麗に収まりました。Lv5は強力な特技を覚えられるブレークスルーのレベル帯で非常に戦闘も楽しく。大変楽しかったです。
落ち着いたら、また再開したいですね!