緋ニッキ

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グランクレスト・「七つの大罪」 キャンペーン本編 第4話「独立、そして開戦」

夏瀬さんGMのグランクレスト・キャンペーン第4話です。

セブン・シン帝国との離反を宣言したラオグストは、結社と呼ばれる犯罪結社の長ラザール・ミルバートン率いる組織に追い立てられながらもタランの街への帰還を果たす。独立を宣言したタランの街はどうなるのか?

 

■初期設定・パーティー

初期設定、各キャラクターの詳細は下記参照。

  • “憤怒の騎士”ラオグスト・タウラージ ロード/キャバリアー PL:粥さん

    壮年の男性。セヴン・シン帝国から家族を奪還し、帝国からの独立を宣言した。

  • バシリオ・シスラエール アーティスト/ドラゴン PL:しのさん
    シスラエール最後の竜。ラオグストに命を救われ、彼の戦士となることを誓う。ラオグストの妻子の安寧を願っている。

  • エリザベス・バートリー  メイジ/サイキック PL:緋
    バートリー商会の武器商人。ラオグストをセブン・シン帝国への反乱へと誘う。

  • 艦長 投影体/オルガノン PL:黒野さん
    混沌を駆逐するために建造された超時空戦艦のAI。エリザベスとの契約に基づきラオグストを支援する。

前回までのあらすじ

セブン・シン帝国との離反を宣言したラオグストは、結社と呼ばれる犯罪結社の長ラザール・ミルバートン率いる組織に追い立てられながらもタランの街への帰還を果たす。独立を宣言したタランの街はどうなるのか?

オープニング1:ドミナス・ブランギースの朝

彼の朝は分析官のプレッシンの煎れたコーヒーを飲むことからはじまる。しかし、コーヒーを持つ手は怒りによって震えていた。昨日の御前会議にて、ラオグストを逆賊として討つべしといった彼の議案は、王弟であるデリット公爵からの「忠臣に仇で返すのか」といった意見に阻まれた。

しかし、手がないわけではない。陛下の言質はとっているのだ。

「それでは、独立宣言したラオグストが宣戦布告をしてきたら、対処してよいでしょうか」

「許す」

オープニング2:協会の圧力

エリザベスのもとに師であるエーラムからの使いが届いた。今回の独立騒ぎについて、アカデミーでのタランの街を好意的には見ていない。

使者は一部アカデミーサポート(5000カウント分)の停止と、メイジの撤収、つまり他の有力貴族、例えばサンドルミア伯ベリナスなどに仕える領主を変えることを推奨する旨を告げてきた。

「お帰りを。この街にいる他のメイジ、フィネガン、ターシャも同じ反応でしょう」

「ようやく面白くなってきたのだ。朽ち果てるまで我が領主に仕えるというのも悪くはない」

オープニング3:それぞれの動向

ラオグストの帰途では、いくつかの事項があった。

  • ラオグスト配下は領主の息子フィリオを守れたことで結束が高まっている。
  • マクミラン伯爵の配下であった魔術師グーリはイヴィルゲイザーから入手した混沌の研究のためにエーラムに戻った。
  • 義賊レッドウインドがラオグストを領主と認め、自らが持つ聖印をラオグストの従属聖印へと変えた。
  • デリーズル領の領主デリーズルはタランの街領主ラオグストの参加となり、従属聖印へと変えた。デリーズルは「帝国のために戦う者はいないが、ラオグスト殿のために命をかけるものはいくらでもいる」と宣言した。
  • タランの街の主要メンバーは街へ残ることを決めた。文官のグレイスが街の動揺を抑え、フィネガンが内政の新たな政策を打ち出す。セブン・シン帝国から独立してもタランの街の統治機構は安定している。

ミドル1:独立の影響

ラオグストのエリザベスが執務室で議論を行っている。近年のセヴン・シン帝国の統治への信頼が揺らいでおり、デリーズル男爵の領地デリーズル領もタランの街と同調して独立を宣言した。影響範囲はもはやタランの街の中にとどまらない規模となっている。

エリザベスがラオグストに確認する。

「ラオグスト。貴方の基に集うものが増えるということは、セブン・シン帝国としても無視できる存在ではなくなるということだよ。つまりは、どうやって君は領土を守るのか、選択をしなければならない」

「降りかかる火の粉は払うだけだ」

「ならば、勝ち続けることだ。相手が手を出さなくなるまでね」

ミドル2:ケリー

男装の少女兵士ケリーは、バシリオの部隊では“まもってやらにゃ”ならん存在だ。ただ、ケリーがどうしてそこまでして戦っているのかを聞いたとき、彼女との繋がりが強くなった気がした。(支援能力UP)

「オレの家族は商人だった。でも、幼いときに盗賊騎士に襲われて、オレを残して殺された。そのとき、オレは家族を殺したやつに復讐するとこの傷に誓った。隊長はなんで戦ってているの?」

「ラオグスト様に救われたんだ。だから、ラオグスト様とその家族を守りたい」

「うまくいくといいね」

ミドル3:艦長とフィリオ

ラオグストの息子フィリオが艦長によって超時空戦艦を案内されている。

「これは何の道具ですか?」

「破壊のための道具だよ」

「僕には怖くないですね。だって大切な人を守るための道具なのだから」

艦長は目を細めて言う。

「君は賢く、やさしい子だ」

ミドル4:現状把握

宮廷魔術師のフィネガンはタランの街の主要メンバーを集め、状況を説明した。

「セブン・シン帝国の主戦派はもはや、タランの街を放置しておくつもりはありません。だから、街への出入りのチェックを厳重にし、戦に備えた統制をかけましょう。ただ、安心してください。この街は発展している。たとえセブン・シン帝国と対立することになっても、当面の間は戦える」

「ただ、この街の最大の弱みはラオグスト様に依存しているということでしょう。特に子息のフィリオを誘拐しようとしたものたちの存在が気にかかる」

エリザベスがラオグストに問う。

「いつまでも火の粉を払い続けるのか?」

「炎を投げかけてくる者がいるなら、攻める」

ミドル5:フィネガン

会議の終了後、フィネガンはラオグスト以外の主だったものを集めた。

「ラオグスト殿はああは言っているが、敵の首を進んで刎ねようなどとは思わないだろう。だが、それでは戦争は終わらない。我々も覚悟を決めるべきだ」

艦長はフィネガンにどうしてそこまでタランの街に肩入れするのかを聞いた。フィネガンは将来有望で、どこでも遇せられるメイジだというのに。

「私は力を発揮する場がほしいのだ」

エリザベスがフィネガンを見て面白い顔をするようになったと笑うが、艦長はエリザベスがリスクを好む傾向に苦言を呈す。しかし、彼女は悪びれもしない。

いずれにせよ、タランの街の結束は従前よりも固まってきている。

クライマックス:開戦

ともに独立を宣言したデリーズル領にウェブリー子爵の軍が侵入し、戦が起きた。ラオグストはデリーズル領の防衛を決断し、長い戦乱の幕が開いた。

デリーズル領では、デリーズル卿(写真のやるお)の守る街をセブン・シン帝国の大軍隊が囲んでいる。基本はウェブリー子爵の軍だが、セブン・シン帝国の正規兵で練度は高い。また、写真右下には七君主“蛇の”ドライゼの軍が様子を見にきている。

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セブン・シン帝国の正規軍は単体で体内属性で200以上のダメージを複数回与えてくる強敵ばかりで、それが30体以上配置されたかつてない難易度の戦闘となったが、ラオグストたちは15レベルとなり、上級ルールブックによって大幅に強化されている。

圧倒的な攻撃力と防御呪文の組み合わせによって2ラウンドもかからず、ウェブリー子爵の軍隊は全滅した。ただ、七君主“蛇の”ドライゼの軍は参戦しておらず、無傷の状況であった。

グランクレストRPG サプリメント 上級ルールブック

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七君主“蛇の”ドライゼはラオグストに告げる。

「貴殿の意向は確認した。ウェブリーという豚の死によってな。ここにセブン・シン帝国は宣戦を布告する。七君主の名において、蛇が締め付けるように殺してやる」

 

戦端は開かれた。全員が驚天の力を持つ七君主を擁するセブン・シン帝国。ラオグストたちの運命やいかに。次回へ続く!