緋ニッキ

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グランクレスト・「七つの大罪」 キャンペーン本編 第11話「会談と独立戦争」

夏瀬さんGMのグランクレスト・キャンペーン第11話です。

帝国軍総指令ガルブレイスの奇襲を辛くも撃退したラオグストたち。総力戦における帝国軍の敗退により、帝国に軋みが生じる。帝国とラオグストを両天秤にかけるヴィッカース、帝国に反旗を翻したパラベラム独立軍。

膨大な版図を持つ帝国の領地を削り取れ!

グランクレスト戦記 第11話「会談と独立戦争

■登場人物

各キャラクターの詳細は下記参照。

【PCたち】 

  • “憤怒の騎士”ラオグスト・タウラージ ロード/キャバリアー PL:粥さん
    壮年の男性。悪逆なるセヴン・シン帝国から独立を宣言し、七大公国のうち3つを領有するに至った。フィギュアは左端。
  • バシリオ・シエラスール アーティスト/ドラゴン PL:しのさん
    シエラスール王家の末裔。ラオグストに命を救われ、彼の戦士となることを誓う。ラオグストの妻子の安寧を願っている。フィギュアは右端。
  • エリザベス・バートリー メイジ/サイキック PL:緋
    バートリー商会の武器商人。ラオグストをセブン・シン帝国への反乱へと誘う。フィギュアは右中。
  • 艦長 投影体/オルガノン PL:黒野さん
    混沌を駆逐するために建造された超時空戦艦のAI。エリザベスとの契約に基づきラオグストを支援する。フィギュアは左中。

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【タラン連合国

  • シセル:ラオグストの妻
  • フィリオ:ラオグストの長子
  • フィネガン:タランの宰相
  • マロー将軍:隣国レガルトの将軍。弓と指揮の名手でラオグストを認めている。
  • サイガ:イヴィルゲイザー討伐にて散った老将イスマの聖印を告いだ若い将軍。グラッチ・イジェメックの腹心であったが、イジェメック領をまとめなおし、ラオグストの配下となった。
  • バージル :冒険者風の旅人。ラオグストの知己であると言い、タランへ極秘情報をもたらした。その正体は帝国時代のラオグスト軍で副官を務めていた男。シエラスール戦役から軍を退き、放浪の旅に出ていたが、ついにタランへとたどり着いた。

【帝国軍・その他】

  • 皇帝シン:セヴン・シン帝国の皇帝。暗君であると同時に帝国における最大武力。
  • ドミナス・ブランギース:帝国宰相。
  • プレッシン:ドミナスの腹心。
  • ガルブレイス:帝国軍総司令。ラオグストの後見人でかつての七君主“憤怒”の席、前皇帝の“剣”とまで言われた人物。どこよりも率先して領土内の混沌征伐に乗り出している。 フィネガンは意図が読めぬと警戒しているようだ。
  • “強欲伯爵(グリード・カウント)”アイオン:七君主。伝統や誇りを重んじる国を治める、穏やかな美丈夫。 双剣の使い手で智謀にも長けている。
  • “傭兵王(プライド・カウント)”ベルム:七君主。またの名を傭兵王ベルム。帝国全土で最強と噂されている豪傑。
  • アグニ:悪鬼隊の隊長。ラザールの密命を受けタランに潜入したが、バシリオに捕縛された。
  • 王弟デリット:文武両道の偉丈夫。 病で成人まで生きられぬと言われた兄に代わり皇帝になるはずであったが、皇帝の完治により王弟にとどまる。
  • “暴食伯爵”ヴィッカーズ:七君主の一人。熊を連想させる巨漢だが、不思議と笑った顔を見たくなる魅力を持つ。 大変な愛妻家で妃に頭が上がらないという噂がある。
  • ブラウン・バートリー:バートリー商会会長にして、エリザベスの父。ヴィッカーズにイヴィルゲイザーを用意に屠れる新兵器を提供した。
  • ガリル(New)
    帝国貴族で帝国領パラべラムの実質的な支配者。
    パラべラム王を堕落させ、ともに圧政を敷いている。

【旧シエラスール王家関連】 

  • シルヴェリオ王:シエラスールの王。若き日に武功を立てイルダを娶り、王となる。 もとは王家に代々仕えた騎士でイルダ妃の幼馴染。クラスはパラディン
  • イルダ妃:シルヴェリオ王の妻。シエラスール直系の血を引く。 王家の血を引く女性は例外なく美貌に恵まれ、そのためシエラスールの至宝と呼ばれる。
  • シエラスール五兄弟長兄イレネオ:長剣の使い手。誠実で武勇に優れている。5兄弟の中でバシリオに最も君主の才があると見込んでおり、彼の成長を願っている。
  • 次兄レリオ:気のいい斧使い。
  • 三男リベリオ:色男。華麗なレイピア使い。
  • 長女エルマ:生真面目で武勇にも政治に優れる。特に棒術が得意である。
  • バシリオ:現在ラオグストに仕えている。 

【パラベラム辺境国】

  • ディムナ(New) :レジスタンスの長でパラべラム国王子。国を顧みない王に愛想を尽かし10数年の歳月をかけ独立に臨む。
  • エンフィールド(New):レジスタンスに協力する帝国のパラべラム駐屯軍将校。 ディムナの高潔さと熱い想いに引きつけられた協力者。

オープニング1:邂逅

帝国軍とラオグスト軍の干渉地帯。

ダン・ウェッソンの砲撃技術への探究心は、艦長の提供する異世界技術をさらに高度な次元へと導く。艦長の船体に取り付けられた悪竜殺しは、混沌核の暴走により出現した9体ものエルダードラゴン(掲載されている中で最強の敵データ)を単機で撃破するほどの性能を示した。

ダン・ウェッソンは自らの理念の結実たる砲撃を見ながら、さらなる研鑽を誓う。

「我が技術は我が理念を理解する者にこそ提供したい」

一方で混沌核からさらに出現した9体ものエルダードラゴンを帝国軍ガルブレイスの軍がなぎ払っていく。この地域の支配者を自認する両勢力によって、この地は混沌災害から守られた。

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オープニング2:晩夏の訪れ

晩夏となったある日、ラオグスト陣営は2つの知らせによって、大騒ぎとなった。

一つは帝国七大公ヴィッカーズによる非公式会談の招待。帝国の財源を担う海洋都市を治めるヴィッカーズを帝国から離反させることができれば、帝国の力を大きく削ぐことができる。

もう一つはラオグストの旧友、シスラエール戦役までラオグストの副官であったバージルから齎された小国パラベラムの独立戦争への協力依頼。

 

帝国との総力戦を制したと言える結果に近隣諸国の態度が変化しつつあった。今までは帝国派だった国が中立の立場をとり始めている。あからさまではないが、ヴィッカーズのように非公式にラオグストとの会談を求める国が出始めていた。また、パラベラムのように帝国からの独立を狙う国家も増加している。
足元が揺らぎつつある事態にあっても皇帝は道楽、放蕩三昧であった。

ラオグストとヴィッカースの会見の行方は? 

他国の独立戦争にどう関わるのか?

グランクレスト戦記七君主キャンペーン第12話
「会見と独立戦争

オープニング2:出立

ラオグストはエリザベス、シセル、レッドウィンドと共にヴィッカーズとの会談に向かった。パラベラムへは艦長が向かう。一方でバシリオとフィネガンはタランの街に残った。

ミドル1:会談

“暴食伯爵”ヴィッカーズは熊を連想させる巨漢だが、不思議と笑った顔を見たくなる魅力を持つ。彼は夜会の主賓席にてラオグストに切り出した。

ヴィッカーズ「我が国は海洋航路を使った商売に強い。帝国の財布とも言われる所以です。しかし、現皇帝の治世のもとで商売人がやる気を保つことは難しい。稼いだ利益を理不尽な理由で上納させられるわけですから。だから、どちらかというと俺たちは帝国よりも貴方たちを取引相手にしていきたい。でも、帝国とタランの街では規模(カウント)が違いすぎる」

ヴィッカーズ「帝国よりも価値ある存在であることをその武勇で示してもらうことはできないか。我が領地が帝国との取引よりも貴方たちを優先するために。一つは我が国の海運を妨害する海賊団の退治、二つ目は帝国に取り込まれてしまった諜報員の排除、三つ目は大陸航路の商売への出資を認めること。我が国を海洋貿易拠点とすることで、サンドルミアから帝国一帯の商圏が一つになる」

ラオグスト「話はわかる。しかし、自国の問題は領主自らが解決すべきものではないか。領主の責務を放棄するといった話であれば私は好かない」

ヴィッカーズ「直裁に言えば、帝国と縁を切る理由がほしいのです」

エリザベス「需要と供給が見えているのなら契約ですね、ヴィッカーズどの。詳しい条件はまた後日」

ミドル2:パラベラム独立

パラベラムの王は実権を持たぬ傀儡である。実質的には帝国の代官であるガリルがパラベラムに圧制を敷いている。幼くしてパラベラムを出奔したディムナ王子は10年の時をかけて独立軍を立ち上げ、各国に協力を募った。独立の支援に向けた密書を持ち、艦長は独立軍を訪問した。

艦長「我々は密使だ。タランの街の領主ラオグストの許しを得て、貴国の独立に協力しよう」

ディムナ王子「ありがたい。他国の力を招くのは苦渋の決断ではあるが・・・」

艦長「タランという劇薬を煽る覚悟がないならば、君たちだけで独立を成し遂げたまえ。ただ、安心したまえ。我々の狙いは帝国の弱体化であって、この地を統治することではない。この地の統治機構は君たちが担うことが望ましい」

ディムナ王子「願ってもないことだ」

クライマックス1:パラベラム戦

ディムナ王子たち独立軍の動きは早く、パラベラム王城は他の支城と切り離され、代官のガリルは直属の帝国兵だけで防衛線を張るしかなくなった。パラベラム王城は堅固な城砦となっており、ガリルは本国からの増援を期待していた。

しかし、25レベルとなったラオグストたちの戦力はガリルの想定を大きく超えるものであった。1ターンで城外の全戦力を潰されたガリルたちは王城の玉座の間に立てこもる。

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クライマックス2:代官ガリル

帝国の代官ガリルは玉座の間の柱等の後ろに親衛隊を隠すと、ディムナ王子の前でパラベラム王を斬り捨てた。怒りによってラオグストたちを挑発し、撃破するという戦術であった。

しかし、ラオグストには視界も防壁も関係なく制圧するほどの攻撃力があった。代官ガリルの5連続攻撃もすべていなし、ラオグストたちは無傷で勝利する。

命乞いするガリルをディムナ王子が斬り捨て、パラベラムは独立を果たした。

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エンディング1:戦後処理

パラベラムの人員に傷をつけることなく、ラオグストたちは勝利した。パラベラムの再建は必要であるが、パラベラムのカウントが帝国からラオグストたちに移動し、帝国との差が詰まる結果となった。

エンディング2:契約

ヴィッカーズとエリザベスの契約は艦長立会いの元で行われた。大陸航路へのヴィッカーズの出資の契約、海賊と人材の問題を解決した場合、ヴィッカーズ領は帝国との商売を取りやめること。そして、バートリー商会のブラウン・バートリーとの商売を取りやめること。

ヴィッカーズ「同じ商会内で縄張り争いかい?」

エリザベス「私は父が作った戦争の連鎖で儲ける構図を打破するために商人をはじめたんだ。ヴィッカーズ殿。だから、この項目は実は他のものよりも重要なんだよ」

エンディング3:グレッグ・ストナー

ガルブレイスは古い友を訪ねた。友人の名はグレッグ・ストナー。ドミナス・ブランギースの前代の帝国宰相であり、シセルの父でもある。

グレッグ「タランの街に王手をかけたらしいな。ラオグストがお主を撃退して辛くも守りきったというが」

ガルブレイス「この首の傷は婿殿の剣によるもの。場合によっては討ち取られていたのは私かもしれない。婿殿は優秀だよ」

グレッグ「ラオグストを褒めるくらいなら、死んだ方がマシだ。我が娘シセルを奪った男だからな。ラオグストと一緒になるなら、縁を切るとまで言ったのにな」

次回へ続く!