グランクレスト・「七つの大罪」 キャンペーン本編 第5話「その轟、誰がために」
夏瀬さんGMのグランクレスト・キャンペーン第5話です。
セブン・シン帝国と決別し独立の道を歩んだタランの街。ウェブリー子爵による追撃部隊との帝国との初戦は勝利で幕を閉じた。だが、帝国七大公のうちの一人“羨望の”ドライゼは戦の序盤で撤退し、手早く軍を再編成し再び攻め込んできた。
同時に帝国大臣、ドミナス・ブランギースの策が実行される。 煉獄、そして実現不可とされた超長距離射撃兵器「遠雷」。かくて再び、デリーズル領は激戦の地となった。
グランクレスト戦記 第五話「その轟、誰がために」
■初期設定・パーティー
初期設定、各キャラクターの詳細は下記参照。
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“憤怒の騎士”ラオグスト・タウラージ ロード/キャバリアー PL:粥さん
壮年の男性。セヴン・シン帝国から家族を奪還し、帝国からの独立を宣言した。
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バシリオ・シスラエール アーティスト/ドラゴン PL:しのさん
シスラエール最後の竜。ラオグストに命を救われ、彼の戦士となることを誓う。ラオグストの妻子の安寧を願っている。 -
エリザベス・バートリー メイジ/サイキック PL:緋
バートリー商会の武器商人。ラオグストをセブン・シン帝国への反乱へと誘う。 -
艦長 投影体/オルガノン PL:黒野さん
混沌を駆逐するために建造された超時空戦艦のAI。エリザベスとの契約に基づきラオグストを支援する。
オープニング1:ドミナス・ブランギース
ドミナスは口頭での報告よりも、書面による報告を好む。その日、彼の読む最初の書面は彼を失望させるものであり、分析官のプレッシンに口頭での質問をせざるをえなかった。
ドミナス「ウェブリー伯爵は敗北したのか。帝国の大臣に上り詰めた後、はじめて予想を外したな。同行していたドライゼはどうしたのだ」
プレッシン「ドライゼ伯爵の軍が先端を開く前にウェブリー伯爵の軍は壊滅していたとのことです。殲滅されつつあった友軍の救助には間に合う状況になく、撤退したと」
ドミナス「ドライゼ伯は忠義の男だ。皇帝陛下の名を出せば戦場に向かうことに抵抗はあるまい。加えて税の減免、ラオグストを倒した場合タランの街を与えると書面を書け。エーラムと煉獄の状況はどうか?」
プレッシン「エーラムへの根回しにはまだ時間がかかります。煉獄は一部タランの街に潜入しました」
ドミナス「ドライゼ伯に煉獄が手を貸せば十分な戦力といえるが、ラオグストは強い。ラオグストの戦力を正確に測る機会にしよう」
ドミナスは彼の机に並べられたタラン攻略の作戦書の束を眺め、一つの作戦を選択する。
ドミナス「火砲による砲撃支援、これはいいな。面白くなってきたぞ、プレッシン」
オープニング2:決死隊
フィネガンが、館長にアポイントメントを取るときには、重要で、合理的な判断が必要となる依頼が伴うことが多い。今回のフィネガンは沈痛な表情だった。
フィネガン「タランの街が存続し続けるためには、重要人物を失うわけにはいかない。だから、重要人物を目的で命を賭して戦う決死隊を作った。これは各部隊の有志により構成されている」
【決死隊】ダメージロールの後、決死隊1000人の中から使用した人数分だけHPダメージを軽減する。決死隊の人数は回復することはない。
艦長「必要だが、酷いことをする。王道を外れるのは一度までだ。それ以上は君主の評判は地に落ちる。彼らの命を踏みしだいている自覚を持って使用すべきだ。彼らの命を預かる」
フィネガン「助かるよ。君主の代わりに泥を被るのもわれらの仕事だ」
艦長「ラオグストを失いことを恐れるのは正しいが、次は彼の心にも気をつけることだ」
ミドル1:経済制裁とリサーチ
帝国がアカデミーに手を回していることで、5種類のアカデミーサポートが使用できなくなる。これの解除に加えて、周辺状況の調査のためのリサーチが求められる。PCたちはそれぞれの得意範囲を生かして以下の効果を得た。
- ドライゼ伯は忠義の誓いを立てており、帝国を裏切ることはない。7君主の中ではどの能力も中庸だが、槍の名手として有名。自分の領地には慈悲の心を持って接するが、セブンシン帝国の税と混沌災害には悩まされている。
- 国内情勢はデリーズル領からの難民の流れ込みにより治安が悪化している。警備隊の指揮をラオグスト旗下の精鋭兵アベルに任せ治安維持に努めることにした。
- 難民に紛れて煉獄が潜入し要人を暗殺しようとしている。不審な贈り物がエリザベスとタランで最も大きい鍛冶工房の親方ダレスの下に届いたことをきっかけに、同様の手口への対処を終えた。(今回の戦闘には煉獄の影響なし)
- 戦場のマップ情報を取得。補給隊を受け持つマクミラン公爵が高地に火砲が設置しつつある。砲兵隊の“轟天雷”ダン・ウェッソンの射撃の腕は驚異的でマップ全体に高い命中値で350点以上のダメージの砲撃を行ってくる。 このため、“轟天雷”ダン・ウェッソンの誘拐作戦を実行することになった。
- バシリオを中心に部隊の訓練を行い、全部隊を強化した。
ミドル2:不審な贈り物
不審な贈り物がエリザベスとタランで最も大きい鍛冶工房の親方ダレスの下に届いた。エリザベスの毒見役のJはお腹を壊して仕事になっていない。そこに鍛冶工房の親方ダレスが来た。
ダレス「祝いだって。気が利くね、姐さん」
エリザベス「うちは毒物を贈ったりはしないよ、親方」
ダレス「すぐに宴は止めさせよう」
エリザベス「仕方ないさ。ビジネスマンは24時間働くのみ!やるよー!」
ミドル3:“轟天雷”ダン・ウェッソン
ダン・ウェッソンの潜む砲兵の宿舎傍、一人で星を見ていたダンの前にラオグストが登場する。
ダン「ついに俺の能力を世に知らしめるときだ。・・・誰だ」
ラオグスト「ラオグストと申す。お主の実力を買いたい」
ダン「拒否権はないようだな。あの砲には手をだすな。あとは好きにした前」
ラオグストはダンを確保したが約束どおり砲には手を出さなかった。ただ、この方は戦闘ではほぼ機能しなかった。距離外からの砲撃に使用する弾道計算は、ダン・ウェッソンにしか行えなかったのだ。
クライマックス:ドライゼとの決戦
デリーズル領にて、七君主“羨望の”ドライゼと元七君主“憤怒の”ラオグストの両軍が向かい合う。双方カウント50000以上の巨大な軍同士の決戦だ。
ドライゼ「今からでも遅くはない。投降しろ。皇帝には俺がとりなそう。悪いようにはしない」
ラオグスト「貴殿にはついぞ槍では勝てなかったな。だが、我々が歩む道はセブンシン帝国にはない」
ドライゼ「なぜ、連合を離れた。争いを生むだけだろう」
ラオグスト「民のためだ」
ドライゼ「お前は自らの言葉に酔っているだけだ。エーラムでは皇帝が真皇帝に最も近い人物と言われている。お前たちには余る存在だ」
艦長「ドライゼ伯、君の器で測らないでいただきたい」
ドライゼ「信念が違うなら、言葉は不要か。大局が見えぬものどもめ。ここで止めてやる」
ドライゼ軍はトルーパーのフラッグ、ラオグスト軍はミュルミドンのフラッグを掲げ、双方の正規軍が向かい合う戦闘となった。質はラオグスト軍に分があるが、数はドライゼ軍に軍配があがる。
とはいえ、戦闘は一方的な展開となった。ドライゼ軍は密集しており、ラオグスト軍は面制圧能力と行動値に特化した構成となっている。ドライゼ軍の行動順番が来るころにはドライゼ軍は半壊しており、孤軍奮闘したドライゼも4ターン後、ラオグストとの一騎打ちの末に討ち取られた。
エンディング:戦後処置
ドライゼは死に際に時世の句を残した。
「帝国に大儀なし。わが民のことを思えば帝国から離反すべきであったが、わが誓いは忠義なり。我が死に対する報復は望まない。ドライゼ領はラオグストに託したい」
ラオグストはドライゼの聖印(カウント)と領地を受け継いだ。これにより、ラオグストが帝国に反旗を翻したことは明確になった。
残りの七公はあと5人、エーラムで進む策謀とは、皇帝の真なる力とは何か。
次回へ続く!