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緋ニッキ

東京近郊のTRPGプレイヤー緋のブログ。トーキョーNOVA THE AXLERATIONのシナリオ、ダブルクロス等のダイスアプリ、Skypeオンセのノウハウ等を公開しています。

ネヴァーウィンター・キャンペーン 第12話「疑惑」

キャンペーン D&D プレイリポート

黒野さんDMのD&D 4th ネヴァーウィンター・キャンペーンの12話です。

今回は疑惑と相互不信によって無統治地帯の増えたネヴァーウィンター市において、事件の核心への一歩迫る話です。

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セッション前:仮想通貨

東京都内の某部屋で投資家気取りのギャンブラーは仮想通貨を巡ってさらなる賭に興じていた。出走するのはプレインズウォーカーであるプラチナとベアトリス。

本日の収支はベアトリスは3500gpを獲得、ギルターク-1000gp、アシュタールは-2500gpとなった。

かくてセッションの幕があがる。

パーティー

各キャラクターの詳細は割愛。

  • アシュタール/指揮役(アーデント) PL:夏瀬さん
    壮年の男性。テーマはネヴァーウィンター・ノーブル。
  • プラチナ/制御役(ブレードダンサー) PL:はたはたさん
    ピクシーの少女。テーマはハーパー・エージェント。
  • ベアトリス・ウィンターホワイト/防衛役(ソードメイジ) PL:緋
    エラドリンの女騎士。テーマはイリヤンブルーエンのフェイ。
  • ギルターク・ヴァーリン/撃破役(ローグ) PL:妖くん
    ドラウの傭兵団、ブレガン・ドゥエイアゼのスパイ。

オープニング:帰還

ヘルム砦の呪力の座を打ち壊した冒険者たちは、忘れられた道を抜け、ネヴァーウィンター市にたどり着いた。ネヴァーウィンター市の様子は様変わりしていた。市内のあちこちから死体を焼く(アンデッドにしないためだ)ために煙が上がっている。

ネヴァーウィンター市の城門では、人々がダカルト・ネヴァレンバー卿に雇われ、市内の治安維持活動のため城門を閉鎖しているミンターン傭兵団と言い合いをしていた。人々は市内に残された家族たちの安否を確認するため、城門を開け内部に入れてもうことを臨んでいるが、ミンターン傭兵団はそれを拒否している。

「中は危険だ。暴徒によって無法地帯となっている地域もある。市の安寧が取り戻されるまでは、ダカルト・ネヴァレンバー卿の許可なくこの門を通すわけにはいかない」

「子供が残されてんだ。頼むよ」

その様子を見ていた“幻王”アシュタールはフードをはずし、兵士に語りかける。

「ダカルト卿にアシュタールが帰還したと伝えていただきたい」

“幻王”アシュタール、貴方とその仲間たちは通すように言われています

門は開けられ、住民たちのうちの一部は家族を探すために市内に入りこんだ。その彼らの様子を、城門に刻まれたこの地のかつての領主の言葉が見下ろしていた。

「人々の流れ、それが北の宝石ネヴァーウィンターの血脈である」

ミドル1:ネヴァレンバー卿との面会

ネヴァレンヴァー卿の屋敷の兵士たちは、冒険者たちを味方とは考えていない。しかし、彼らは職務に従い、丁重に冒険者たちをウォーターディープの公開卿であるダカルト・ネヴァレンバーの元へ案内した。

ダカルトは執務室に多数の仕事を持ち込んで仕事を進めている。ストレスの緩和のためかグラスには強めの酒が入れられている。彼は開口一番にこう言った。

「市長のソマンガルドが消息を絶った。君たちも仲間が増え、実力も増した様子だが。この街に何を求めてきたのだ?」

「お初にお目にかかるダカルト・ネヴァレンバー卿。ギルターク・ヴァーリンと申します」

ギルターク!かの有名なドラウの暗殺者。ならば私は幸運であったな。君のような暗殺者と会うときは君たちの仕事の途中であることが非常に多いからな

「こちらもこの出会いが双方にとって有益であることを願おう」

ベアトリスがダカルト卿に会いに来た理由を告げた。

「私がここに来たのは貴方に借りを返すためだ。大裂溝から染み出した怪物たちから、私たちの命を救ってくれたのは貴方の騎士団たちだ。ダカルト卿、貴方は油断ならない人物であるが、だからこそ結べる友誼もあると私は考える。早く借りを返し、対等の関係を結びたい。この街で何が起きたか教えてくれ」

ダカルト・ネヴァレンヴァーは答えた。

「一週間程度前の話だ。どこか遠くから聞いた者の心に深い爪あとを残すほどの大絶叫を聞いた。聞けばヘルム砦の呪力の座が破壊された時刻と一致しているという。そういえば、あれは君たちの仕業だったな」

「それからこの街は不安定となった。半政府主義者アラゴンダーの息子達の活動は過激化の一途を辿り、もはやこの地に法による統治を敷けているのは限られた範囲だけだ。人々はお互いを疑いあい、争いが起きた。反政府組織、アラゴンダーの息子たちのせいだ。今ではこの街で死体を焼かぬ日はない」

アラゴンダーの息子たちへの対策に追われているうちに市庁舎との連絡方法が失われ、ソマン・ガルト市長と連絡がつかなくなった。この件は君たちが糸を引いていないと言い切れるか?」

アシュタールが答える。

「言い切れる。私はお前が嫌いだ。だが、貴方とのこの街の継承権争いは棚上げしている。そんなことはやらない

ダカルトが応ずる。

「誰がこようが、北方の宝石と言われるこの街を譲る気はない。ただ、君との継承権争いの扱いは同意できる」

ミドル2:ネヴァレンバー卿の要請

ダカルト・ネヴァレンバーは頷くと冒険者を値踏みするように見据える。

「私の要請はナシャー派の無法者、アラゴンダーの息子達を排除し、市庁舎にいるソマン・ガルト市長とその部下を救出してもらいたい、といったものだ」

「キムリル、ハーパーでいてアラゴンダーの息子達の指導者であった女。彼女が消えた後に実質的な支配者となったアーロン・ブレイドシェイパーを捕らえれば追加報酬を出す。市庁舎にはアシュタール、君がかつて士官学校で学友であったアラケス・ディターリジもいる。できれば彼も救ってほしい」

(地図の上で市庁舎までの経路が示される)

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【ダカルトからの依頼事項】

  1. ソマン・ガルト市長と孤立した部隊を救出し、ダカルト・ネヴァレンバーの元に届ける。(EXP:1500/一人あたり、報酬4000GP)
  2. アラゴンダーの息子達の指導者、アーロン・ブレイドシェイパーを捕らえる。(EXP:2000/一人あたり、報酬10000GP)
  3. パトロンの息子、アラケス・ディターリジを救出する。(EXP:1000/一人、報酬2000GP)
  4. ミンターン傭兵部隊が本拠にしている市庁舎を攻略する。(EXP1000/一人、報酬、2000GP)

要請を聞いたベアトリスは慎重に言葉を選ぶ。

「現状は分かった。ただ、アーロン・ブレイドシェイパーもまた私たちの古い友人である。貴方の言葉をすべて鵜呑みにするものではない。全ては私たちの行動は私たちが決めさせてもらう」

「それでいい。君が腹を割ってくれるならば、私も真実を教えよう。明日の朝までに全てを終えることを薦める。今言えることはこれだけだ」

冒険者たちはダカルト・ネヴァレンバーの居室を跡にする。彼のデスクに置かれたグラスと強い酒は、この居室で彼が悩みを抱えている事実を示している。

そこにネヴァーウィンターの力ある貴族。ティーフリングには珍しい金色の瞳を持ち、あふれ出すような魅力を持つダカルト卿の協力者モルダル・ヴェイが現れる。彼は冒険者たちに会釈するとダカルト卿の部屋に入り、領主に囁く。

「火をどこに放てば効率よく無法者どもを根絶やしにできるかわかりましたよ。貴方も一晩の間どう火を放つのか考えたのでしょう」

ダカルト・ネヴァレンバーは答えない。

ミドル3アラゴンダーの息子達

市庁舎に向かう道すがら出会ったフードを被った男はアラゴンダーの息子達の実質的支配者であるアーロン・ブレードシェイパーだった。彼はネヴァーデス墓地の地下水路の一角に巧妙に隠されたアラゴンダーの息子達のアジトに冒険者を案内する。この地下水路にはクラーケンが生息しており、アラゴンダーの息子達の割符を持たないものは食い殺される。

アーロンは蔑む様な目で冒険者たちを睨み付けた。

「うまいことやっているじゃねえか。オレの首を取りに来たのか」

アーロンの様子は変貌していた。以前から暴力の空気を身にまとってはいたが、ここまで追い詰められた表情はしていなかった。アラゴンダーの息子達の構成員にも出自の明らかでないものが増えている。獣臭や死臭、どこかの勢力と手を組んだのか?

ベアトリスが答える。

「ダカルト・ネヴァレンバー卿からはお前を捕らえろと要請された。だが、私たちはそれに従うとは言っていない。お前の事情を教えてくれ」

「話を聞く気があるのか?まあ、いい。この街に異形の叫び声が鳴り響いたあの日からソマン・ガルトの野郎がとち狂った。市庁舎を城砦にして立てこもり、配下の者にはやりたい放題を認めた。女房と子供を兵士たちに浚われて、市庁舎に取り戻しにいった仲間はそれっきり帰ってこない。そいつの女房は翌日バラされて投げ捨てられてた。それからは毎日そんなことがあった。俺たちは復讐のために市庁舎を打ち壊し、ソマン・ガルトの野郎の首を使って、ダカルト・ネヴァレンバーと交渉する」

「ソマン・ガルトの野郎を処刑するのを手伝ってくれ(EXP1500/1人あたり、4000GP)」

アシュタールは悲しい顔をして、答える。

「復讐をすることは止められない。ただ、ソマン・ガルト市長を殺してしまったら、もはや交渉の余地はなくなる。私が見たいものはそんなネヴァーウィンターではない」

プラチナが問う。

「何のため戦っているの?」

「誇りを取り戻すためさ。お前に俺たちの気持ちがわかるのか?」

「分かるよ!ボクの母代わりだったキムリルを殺されているんだから!」

「そうだな。お前にだけは俺たちの気持ちがわかるかもしれない」

お互いの合意点が見えたため、ベアトリスが提案する。

「奪われた家族を取り戻すための戦いは正当なものだ。要塞化した市庁舎を制圧するまでは我々はアラゴンダーの息子達に協力する。ただし、市長に話を聞くまで、制裁を加えるのは待ってほしい。その条件が呑めないなら、そこでやり合うことになる」

アーロン・ブレードシェイパーは頷いた。冒険者たちはその場を後にし、残されたアーロンが嘯く。

「これで、これで良かったんだ」

彼の周りのアラゴンダーの息子達の構成員は答えない。彼らには死鼠団のワー・ラットやアンデッドと思しきフードの者たちが含まれている。彼らはアーロンの静止で止まることはない。彼らが市長を前にして自制できるかは怪しいところだ。

クライマックス1:封鎖区画(市街地)

無法地帯と化した封鎖区画は呪力の暴走によりグールに成り果てた者と、呪痕の暴走によりスペルスカードになってしまった人間が相互に殺しあう状況となっていた。

彼らに理性はなく、冒険者たちを敵と認識して襲いかかってくる。グールの数は10以上、スペルスカードの能力を得た兵士は様々な技を使用する。グールに掴み掛かられたプラチナが増援のグールに取り囲まれる、専攻してスペルスカード3体を抑えていたベアトリスの回復力使用回数が7回にもなる激しい戦闘であったが、冒険者たちの勝利で終わった。

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クライマックス2:市庁舎

市庁舎はバリスタや銃座などが仕込まれた要塞と化していた。中の人間の様子は明らかにおかしく、制圧するしかない。

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 バリスタ兵などの市庁舎外部を制圧した冒険者たちは、庁舎の門を抜けて内部へと侵入する。そこに強力な罠が仕掛けられていた。先行して進入したプラチナの後ろに鉄でできた網が落ちてきたのだ。瞬間移動等の手段を持たない者は網にダメージを与えて破った後でなければ奥に進むことはできない。暫定的に5対1での戦いを余儀なくされる。加えて、通路には火炎放射器が設置されており、逃げ場はない。

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とはいえ、冒険者たちも伝説級に手が届くレベルである。手早く網を破ると建物内部にベアトリスがアシュタールと共にフェイ・ステップで飛び込む。建物入り口の門を挟んで挟撃される形となった兵士たちは数ターン後に制圧された。

エンディング:帰ってきた女

市長の執務室いたソマン・ガルト市長は容易に発見できた。市庁舎の別の場所で戦っていたアラゴンダーの息子達も執務室に入り込んでくる。彼らは市長や兵士たちに復讐しようとして息を荒げている。私刑による制裁を許容しないベアトリスとギルタークは、戦闘の構えを解かない。

ソマン・ガルト市長は兵隊長の亡骸に語りかけている。おそらく、気が触れている。

「こいつらのようなドブネズミがなぜここにいる。隊長、血を流しているではないか。床が汚れる。掃除をしたまえ」

執務室には市長の他にアラケス・ディターリジがいた。彼はアシュタールに駆け寄り、心底悔いながら懺悔した。

「ネヴァーウィンターの街にきたボクは市長にやっかいになることになった。最初はうまくいっていたんだ。誰もあんな野蛮なことは許さなかった」

「でも、名状しがたき叫び声が聞こえたあの夜から、すべてがおかしくなった。市長は市庁舎の要塞化を進め、兵士たちもおかしくなってしまった。兵士たちに攫われた女子供がひどい目に合う声が毎晩聞こえた。ボクはそこで耳を塞いでしまった卑怯者だ」

「アシュタール。この場は誰かに罰を与えなければ納まらない。ボクの任務は市長を守ることだ。ボクから殺してくれ」

「アラケス、それはできない。その行いには先がない」

アラゴンダーの息子達はいきり立っている。プラチナが彼らを制止しても、彼らは止まらない。しかし、アーロンだけは剣を下げた。

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誰かの血を見なければ収められない状況の中、「そこまで」という女の声とナイフの投擲音が響いた。ナイフがソマン・ガルト市長の額を貫き、彼を即死させる。同時に聞こえる美しい旋律、懐かしい声、ブレードシンガー。

キムリル。事件の最初で死んだはずの女。多くの謎を抱えたまま舞台裏へと消えた彼女がついに帰ってきたのだ。

次回に続く!