緋ニッキ

東京近郊のTRPGプレイヤー緋のブログ。トーキョーNOVA THE AXLERATIONのシナリオ、ダブルクロス等のダイスアプリ、Skypeオンセのノウハウ等を公開しています。

ネヴァーウィンター・キャンペーン 第16話「失われた王冠を求めて」

黒野さんDMのD&D 4th ネヴァーウィンター・キャンペーンの16話です。

アボレス主権国との戦いを潜り抜け、いずこへ辿り着くとも知れぬワープゲートへと飛び込んだ冒険者たち。彼らが転移したのはネヴァー上の地下霊廟へと繋がる地の底であった。今回はテーマ:ネヴァーウィンター・ノーブルの重要アイテムネヴァーウィンターの王冠を得る話です。 

 

パーティー

各キャラクターの詳細は割愛。

  • アシュタール/指揮役(アーデント) PL:夏瀬さん
    壮年の男性。テーマはネヴァーウィンター・ノーブル。
  • プラチナ/制御役(ブレードダンサー) PL:はたはたさん
    ピクシーの少女。テーマはハーパー・エージェント。
  • ベアトリス・ウィンターホワイト/防衛役(ソードメイジ) PL:緋
    エラドリンの女騎士。テーマはイリヤンブルーエンのフェイ。
  • ギルターク・ヴァーリン/撃破役(ローグ) PL:妖くん
    ドラウの傭兵団、テーマはブレガン・ドゥエイアゼ・スパイ。

オープニング:地下探検 

ワープゲートの転移先は再びいずこともしれぬ地底湖であった。空気の流れはあり、酸欠で死ぬことは当面の間なさそうだが、この地が何処に在り、どこまで歩けば地上に出られるのかもわからない。

DMからアイテムチェックが告げられ、所持している食料品の数を確認した冒険者たち。思いのほか彼らの持つ食料は多く、すぐに死に至ることはないだろう。

ミドルフェイズ:ドラウの野営地

地底探検をして九日目、ギルタークにとって見覚えのある地形に辿り着いた。ここはネヴァー城の地下区画、巧妙に隠されたドラウの野営地の近くだ。ブレガン・ドゥエイアゼの者にとっては、本来、味方となる勢力である。しかし、ギルタークは逡巡した。

ブレガン・ドゥエイアゼの本拠地メンゾベランザンにおいて、彼に敵対する妹が当主となったヴァーリン家は勢力を伸ばしている。ギルタークはブレガン・ドゥエイアゼの一員ではあるが、スパイにすぎないギルタークとどちらを優先するか。

そして、懐かしい声がかかった。セスナル・ヴァーリン。ブレガン・ドゥエイアゼで生きる異父兄。

「ギルターク、何故お前がここにいる?」

ギルタークは黙って短剣を抜いた。冒険者たちも、セスナル・ヴァーリンの仲間たちも戦闘の準備を始める。

「ギルターク、団長から伝言があった。メンゾベランザンで政変があった。ヴァーリン家は8大貴族家の第一位ベンレ家と手を組み、8大貴族の一角に上り詰めた。つまり、ヴレガン・ドゥエイアゼはお前を庇いきれなくなった」

敵はヴレガン・ドゥエイアゼの精鋭たち。クラウド・オヴ・ダークネスによる影に潜み、伝説級となった冒険者たちとも互角に渡り合うが、2ラウンド目に影が晴れた以降は一人ずつ倒れていく。

「私を殺すのか。できないな」

一人残ったセスナル・ヴァーリンは、温存していた自らのクラウド・オヴ・ダークネスを使用すると闇の中へと消えていった。

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ミドル2:九勇士

ドラウ野営地の仕掛け扉を外し地上へと出るとそこはネヴァー城の中庭だった。

ネヴァー城。ネヴァーウィンターの西端に張り出してそびえ立つ、昔日の栄光の象徴。大災厄によって大きな被害を受けたこの城は、内部に封印された宝物に群がるものたちの命を啜りながら、ネヴァーウィンターの真なる王を待っている。

ネヴァー城の敷地内に入った冒険者たちの前にフードの女が出現する。亡霊であるのに神聖な力を感じる。彼女は透明で力強い声で言う。

アラゴンダーの末裔よ。この地には死と穢れが溢れている。栄光と死は紙一重、勇気無きものは去れ。王の亡きこの地にあって、それでも王たると思わぬならばこの地を去るがいい」

アシュタールは目を閉じ、いくつかのことに思いを馳せ、先に進むと決めた。

フードの女は頷くと冒険者たちを連れてネヴァー城の地下へと転移する。果て無き迷宮ネヴァーニース中央部分にあるアラゴンダー王家の伝説的な親衛隊、九勇士の納骨堂である。納骨堂では結界と、それを破壊し進入しようとする魔術がぶつかり合う魔力の炎が迸っていた。

死霊術の帝国サーイのリッチ化したウィザードであるヴァリンドラ・シャドウマントルの配下、干からびた骨の二人のレットウィザードが従者の吸血騎士を伴い、結界の破壊を試みている。

フードの女は二人の目的を告げると消えた。

「彼らは九勇士の遺体を回収し、デヴィルを憑依させようとしている。正義の神ティールの結界もあと僅かで破棄されてしまう。愛するこの街のために命をかけた彼らの名誉を失うのは悲しいな」

九勇士たちの目的は、今の冒険者たちと同じだ。だから冒険者たちは九勇士の名誉を守るため、戦うことを決めた。

クライマックス:サーイとの戦い

サーイ国家魔術師の干からびた骨のレットウィザードにはヴァンパイアの騎士が付随する。呪縛のナサニエルにはかつてシャランダー周辺で戦った騎士ラズラティス、苦悶のドレイヴンには騎士サイアス・ミカロットが従属する。

ラズラティス「なんで、こんなところまで来たんスかね」

ナサニエル「何をしにきたのはわからないが、死んでもらうか」

彼らは単体では冒険者を凌ぐ強敵であったが、移動手段に長けた冒険者たちは耐久力に劣るレットウィザードに攻撃を集中し、各個撃破に成功する。最後に残ったラズラティスは霧化して逃げ切ろうとしたが、拘束・減速を受けているうちに撃破された。

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エンディング:レディ・アリベス・ド・ティルマランド

納骨堂の中には九勇士の遺骨があった。穢れてはいない。フードの女性が再び現れる。

「ナシャーの血を継ぐものよ。この地を統べる資格ありと言ったところか」

鐘楼の鐘がなり、地下区画であるにもかかわらず風が吹いた。フードが外れ、女の顔が明らかになる。

レディ・アリベス・ド・ティルマランド。その美貌は万人に知れ渡り、その信心ゆえに騎士に任ぜられ、その優しさゆえに誰からも愛された。ネヴァーウィンターに蔓延していた「死悶の疫」との闘いで命を落としたティールの代行者。そして、宿命の果てに堕落したもの。

彼女は失われたネヴァーウィンターの王冠を取り出すと、アシュタールに手渡す。

「汝が何をなすか、見定めよう」

それはアシュタールが王となり、この街を救うための最後の戦い。

歴史における勝者を決める、最後の戦いの幕開けだった。

次回へ続く!