緋ニッキ

東京近郊のTRPGプレイヤー緋のブログ。トーキョーNOVA THE AXLERATIONのシナリオ、ダブルクロス等のダイスアプリ、Skypeオンセのノウハウ等を公開しています。

落日の鷹羽

天羅キャンペーン、今回は葵さんGMで「サムライSSS」前編を遊びました。天羅最強の傭兵集団、霞谷五人衆と戦う話です。

 

トレーラー

四方を敵に囲まれ、鷹羽の城は今や風前の灯火であった。 

その城に忍び込む五つの影。 

彼らこそ、金のためならなんでもやる、天羅最強の傭兵集団、 

人呼んで、霞谷五人衆。 

 

孤高にも鷹羽の全軍の指揮をとるは、いと若き美月姫。

だが美月姫は、霞谷五人衆の魔の手の前に倒れるのであった。 

 

敵は三十万を超える軍勢と、最強霞谷五人衆。 

鷹羽の城と美月姫は、終焉の時を迎えようとしていた……。

 

天羅WAR 『落日の鷹羽』

刃を持ちて、宿命を燃やせ 

  

■プレイヤー

GM:葵さん

サムライSSS前編を手直ししてくれました。回すのが難しいタイプの昔のシナリオでしたが、がっつり楽しめました。ありがとうございます!

 

美月姫の乳兄弟:長尾 春親 サムライ

PL:しのさん

乳兄弟である鷹羽の国の姫将軍、美月姫を護るためサムライとなった少年。天羅でサムライになるのは大変(普通の人間としての人生は捨てることになる)なことで、この決断により彼の幸せを願っていた美月姫は激怒し、疎んじられることとなったが、この窮地においてサムライの力により美月姫の窮地を救うことになる。
このシナリオでは、美月姫は助からないことが決まっています。必然、PLとして望んだ結末に至るのは難しいんですが、その中で納得いくまでおとし所を模索するところが実にしのさんらしくて良かったと思います。
ファンブルの回数は2回。振った場面はミドルの戦闘だったので、致命的ではなかったと思います。
 
鷹羽の国の忠臣:夜鷹 傀儡
PL:緋
300年以上前、鷹羽の国の設立前から鷹羽の国の領主に仕えてきた傀儡。元々は陰陽師で、鷹羽の国を理想の国に導き、最後まで見守るため、不死の傀儡となった。代々の名代の教育者であり、鷹羽の国をわが子のように思っている。
国はいつか滅びるものとして滅亡を受け入れつつ、鷹羽の国の人々にとってマシな結果を導けるように動きました。国そのものを巨大な式として動く傀儡という設定だったので、国が滅びると共に死んだのですが、「自分にもし魂がありあの世にいけるならば、共に生きた人々と再会できるのが楽しみだ」と主張して大往生できたのが良かった。あと初代の国主(エンオウ)との関係性(叶わぬ恋心)とか、鷹羽の国(自分の人生そのもの)に自信も悔いもないある種の諦観とか、天羅ならではのディープなところを描写できたのも嬉しかった。
  
亡国の御家人:狼焔(ろうえん) 剣聖
PL:妖くん
天羅最強の剣士。かつて霞谷五人衆によって滅ぼされた国の家臣で、現在は鷹羽の国で客将をしている。老境を迎えているが、剣に乱れはない。
最初のモチベーションは亡き主君の敵討ちだったのだけれど、霞谷五人衆との戦いで自分より強い存在を知り、最後は剣でそれを凌駕することを目的に切り替えた。この辺の見切りと演出の切れ味は妖くんならではというか、さすがです。
  
神宮家:"お泥ひつ"飛白(とびしろ) 神宮家の記録者
PL:粥さん
神宮家の端末の一人。代々神宮家に使え、歴史を記録する役割の家系で育った記録者。神宮家の使者として鷹羽の国からの援軍要請を受け入れるが、援軍は来ないこと、自身の役割が鷹羽の国の滅亡までの過程の記録であることを知っている。
鷹羽の国の滅亡を見届け、記録者として正史、外伝を含めさまざまな物語に昇華した。鷹羽の国は滅びたが、記録や口伝の形をとって歴史のなかに生き残ることになったのだ。この辺の落としどころは皆で相談した上で、粥さんが形にしてくれたもので本当によかった。
なお、ファンブルの回数は1回。正念場でのファンブルであり、致命的だった。

■感想

シナリオとして鷹羽の国の滅亡と美月姫の死亡が決まっている中で、PCたちが何を成し遂げるのかを相談して決めるところとか、心底悩んだセッションでした。いろいろ相談して決めた結末としては、「①鷹羽の国は滅びるがさまざまな形で歴史に残る」、「②美月姫は(歴史上)死ぬが、(物語上は)美月という人物は幸せに余生を過ごす」というもので。特に②についてはご都合主義的な側面も否めないけれど、天羅はその辺、昔話フィルターを通せば許せる気がする。結果として綺麗に収まって、大変楽しゅうございました!